備忘

抑フェネ備忘録

「時間」は本当に共有されているのか

きっと、長い時間が経った。そんな感覚は私には無いけれど。世界で共有しているつもりである「時間」と呼ばれるものでは前に進み続けている。どうやらその「時間」は不可逆であるらしい。暗闇の中、1つの炎。積もっていく灰。ライターのオイルは減る一方であるの…

分岐

暗闇の中、一人佇んでいる。 「一寸先は闇」という言葉があるけれど、 一寸先さえ見えればまだましだとすら思えるほどの暗闇。 そんな中でも足元だけは見える。 いくつか道の分岐点にどうやら私はいるらしい。 どの道を選ぼうか。 はたまた、このままこの暗…

両想い

「寂しい時は、これを僕だと思って」男は女にぬいぐるみを差し出す。その夜。男は別の女を抱き、女はぬいぐるみを抱いていた。

ある夏夜

彼女は未だ帰ってこない。地球が一巡し、夏の涼しさが戻る。心地いはずの夏夜の涼しさも、今では鬱陶しく、身体が縮こまるのを感じる。今、私の見える世界はモノクロで味気ない。激しく心を揺さぶるものは今は無く、ただ無情に時間だけが過ぎてゆく日々に呆…