「寂しい時は、これを僕だと思って」男は女にぬいぐるみを差し出す。その夜。男は別の女を抱き、女はぬいぐるみを抱いていた。
彼女は未だ帰ってこない。地球が一巡し、夏の涼しさが戻る。心地いはずの夏夜の涼しさも、今では鬱陶しく、身体が縮こまるのを感じる。今、私の見える世界はモノクロで味気ない。激しく心を揺さぶるものは今は無く、ただ無情に時間だけが過ぎてゆく日々に呆…
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